電脳ヨーグルト

プログラミングの備忘録と私生活を

悪用厳禁!相手を説得させるテクニック

f:id:at25250410:20180707202256j:plain

「説得」とは、自分が考えていることを相手に信じさせる、納得させるということであり、究極には、相手に影響を与えること、すなわち相手に自分の要求を呑ませることと言えるでしょう。

そのような説得の技術が最も実用的に使われているのがセールスの分野です。自分が売っているものが、払う以上の価値がある、と信じさせること、目の前の商品を買う必要がある、と感じさせるのがセールスマンの目標だからです。

社会心理学において説得の研究が進むよりはるか昔から、訪問販売やキャッチセールスといった販売を行うビジネスの分野では、販売の秘訣、つまり説得のテクニックが発見され、継承され、磨き上げられてきました。

それらの多くは、門外不出の社外秘として扱われたものもありますが、現在では社会心理学において分析・検討されています。

コミットメントの大きな力

説得のテクニックが最も多用されるのは、一般の消費者相手に比較的単価の高い商品を売る、不動産や車といった業界です。
一般の消費者は説得のテクニックについての系統だった教育を受けていないため、万が一相手が悪質業者だった場合に餌食にされる可能性があります。

例えば、多くの人にとって一生で一番高い買い物である、家の購入について考えてみましょう。

あなたは、値段が同じくらいのA物件B物件を比較検討しています。

たまたま先にモデルルームを見学に行ったA物件では、来店のお礼として、あなたたち夫妻と子どもにジュースを一本ずつくれました。B物件では、内装や間取りは気に入ったのですが、何もしてくれませんでした。

さて、あなたはどちらの物件を買うでしょうか?

この場合、多くの人がA物件を選択してしまいます。

ちょっと待って!
B物件のほうが気に入っていたのに?

確かにA物件ではジュースをくれました。でも、ジュース3本の値段と物件の値段では、10万倍くらいの差があるのでは?

しかし、この、「何かをしてくれた」ということが重要なのです。

人は、この小さな足掛かりからA物件の販売員にコミットメント(関与)を感じ、好意を抱きます。こうして、次に電話が掛かってきたときに、B物件よりもA物件の販売員の話をよく聞くような態度が形成され、最後には勧められるままA物件を買ってしまうというわけです。

このように、小さな足掛かりをもとにして、大きな要求を飲み込ませる説得の方法を、段階的請求法と呼びます。これは、セールスマンが飛び込み営業をする際に、まず開かれたドアの中に足を入れるというところから来ています。「中に入れてしまった」という小さな足掛かりから、本当は聞く気のなかったセールストークを聞いてしまい、最後にはモノを買ってしまう、古典的なテクニックです。

説得に用いられる人間社会のルール

社会心理学者のチャルディー二は、説得に用いられる社会的影響力を六つに分類しています。

一. 返報性

返報性は、何かをしてもらったら、お返しをしなければならないというルールです。最初の何かが小さくても、お返しは見合わないほど大きくなる場合もあります。

二. コミットメントと一貫性

コミットメントと一貫性は、何かに関わったり、何かを始めたりすると、最後までにそれに関り続けなければならないというルールです。途中で間違いに気づいても、止めてはいけないと思う場合もあります。

三. 社会的証明

社会的証明とは、自分の行動が適切かどうか、ほかの人を参考にして決めるというルールです。ほかの人が間違っていた場合、真似して自分も一緒に間違えることになります。

四. 好意

好意を示してくれる人には、好意で答えなければならないというルールです。相手の好意が、お仕事やマニュアルによるものでも有効です。

五. 権威

立場が上の人、物を良く知っている人、金持ちには従わなければならないというルールです。それが外見上だけでも非常に有効です。

六. 希少性

希少性はその名の通り、数が少ないものには価値があるというルールです。




これらの社会的影響力は、本人の自覚なしでも働いてしまう力です。法律のように記されているわけではあるませんが、社会全体に対して拘束力のあるルールです。

多くは人間が進化の過程で、社会を作る動物になっていく間に獲得されたと考えられています。

例えば、何かをしてもらったときにお返しをしなかったり、好意を示す相手に暴力をふるうような人間ばかりで作られた社会が考えられるでしょうか?

そのような人々の集まりは、すぐに争いで崩壊してしまい、不作や不猟、外敵による攻撃に耐えられません。

こうして強固な社会を作るために残ったのが、これらの社会ルールだと考えられます。

説得のテクニックと詐欺への対抗

このルールの働きを知ることにより、他人の態度や行動を変えることができます。

社会的な要求に沿う形で行われた場合は教育や営業と呼ばれ、反社会的に行われた場合は洗脳や詐欺と呼ばれます。

この詐欺的な説得に対抗するための一つの方法として、相手が言ってくるであろう内容を事前に考え、それに対する反論を作っておくことが重要だと言われています。すべての反論を考えたり、常に詐欺的なセールスへの対抗を考える事は難しいですが、日頃から意識を高く持ち、知識を仕入れ続けることが重要です。